ヤマモモ(山桃)についての豆知識
2019年 07月11日
突然ですが、皆様はヤマモモという果物をご存知でしょうか?
ひがし調剤薬局の隣、『こくぼクリニック』の裏口にヤマモモの木が植えられており先生が大切にされています。
大きさは1.5cm〜2cm程の赤い実で、主に徳島県・高知県で生産されている果物です。
雄の木と雌の木があり、近くに両方の木が無いと実がなりません。
ただ、中国から花粉が飛んでくるとまで言われており雌だけでも実をつけることも多いようです。
沖縄県を除き、6月から7月中旬までが収穫時期となっておりとても傷みやすい為、流通は困難です。
このヤマモモ、味は好みが分かれますが…実はこれからの季節に有り難い効能を持った果物なんです。
・疲労回復効果
ヤマモモの栄養にはクエン酸やブドウ糖が含まれています。
ヤマモモを食べてクエン酸を体に取り込むと、効率的なエネルギー生産が可能になって疲労から早く回復するようになります。
そして、体への吸収が良くエネルギー源となるブドウ糖も含むため、より疲労回復効果が高くなると言われています。
また、クエン酸にはこの効能とともに殺菌・除菌作用もありますので、微生物の繁殖も防止してくれます。
・酸化予防効果(老化の予防)
ヤマモモは深い赤色をしていますが、その色を作り出しているのはアントシアニンという色素成分です。
このアントシアニンはポリフェノールの1種であり、強力な抗酸化作用を持っています。
人間の老化をもたらすのは活性酸素の生成にあります。
抗酸化作用は活性酸素を体内から除去してくれるので、肌だけでなく細胞全体も含めた体の老化も防止してくれる効能があります。
アントシアニンはこうした効能が期待できる成分なので、ヤマモモは女性にも男性にも嬉しい果実です。
また、ヤマモモの栄養成分にはβ−カロテンが入っています。
この成分はアントシアニンと同様に強い抗酸化作用があります。それだけでなく細胞修復作用も持っています。
これは活性酸素などによる細胞へのダメージを修復する効能のことです。
これによって生活習慣病になるのを防いで、動脈硬化やがんの発症を防止してくれます。
β-カロテンの一部はビタミンAとしての作用もあるため、視力改善の効能もあります。
・粘膜や肌の健康維持
ヤマモモには量は多くないものの、ビタミンB群が含まれています。
ビタミンB群は各ビタミンにそれぞれの働きがあるだけでなく、お互いに作用しあい効果を発揮します。
ビタミンB1やB2、ナイアシンやパントテン酸、葉酸などの栄養がヤマモモには含まれています。
ビタミンB群は三大栄養素の代謝に関わり、エネルギーを生み出して疲労回復にも役立ちます。なかでもビタミンB1は疲労回復のビタミンとも呼ばれています。
また、新陳代謝を促す効能もあるため、肌や粘膜の保護や健康維持に働き、美肌や美容には欠かせない栄養です。
女性に嬉しい事も多いヤマモモの実ですが、疲れがたまりやすいこの季節にピッタリの果物になっています。
味が気になる方はジャムや果実酒、シロップ漬けにしてみてはいかがでしょうか?
種の処理が大変とのことですが、実のまま頂くよりも食べやすくなるそうです。
この時期だけしか食べられないヤマモモの力を借りて、憂鬱な季節を乗り切りましょう。
ひがし調剤薬局